ビジネスの場では、初対面の人と名刺を交換する機会が多いでしょう。
名刺は、所属する会社名と部署、役職、氏名に加えて、会社の所在地、電話番号・FAX、メールアドレス、ホームページのURLといった情報を1枚の紙に端的にまとめたものです。
さらに、グローバルな企業展開をしている場合は英文表記が併記されています。あるいは、事業領域や本社以外の支社の情報、経営理念などのスローガンが示されていることもあります。加えて、ISOやプライバシーマークの取得、その他、資格を取得しているときは資格のロゴなどを印刷して、名刺を渡す相手にアピールします。
名刺を渡すことによって「紛れもなくこの会社の人間です」と自己を開示したことになります。また、相手からも名刺をもらうことで、相手の情報も入手します。このように、初見のコミュニケーションツールとして信頼関係を作る役割があります。
つまり「これから正式なお取り引きをお願いします」という認識を交換するために重要なアイテムなのです。お互いが、どこの会社のどの部署に所属しているかを開示することで、相互の信頼を築くことができます。
コミュニケーションツールとして名刺を活用する場合、たとえば読みにくい名前で「これはどのように読むのですか?」という質問を投げることができます。そこで「珍しい名前なのですが、私の出身地には多い名前なのですよ」と言ったように、名前をきっかけとして話を広げられます。
したがって、名刺を交換するときには儀礼的に頂戴するのではなく、書かれている情報をしっかり読んで、気になったことをきっかけにアクションを起こすとよいでしょう。企業のロゴマークのデザインから「洗練されたロゴですね。このデザインには何か意味があるのですか?」のようにいろいろな質問するきっかけにもなります。
名刺には、名前以外にも写真を印刷しているものもあります。あるいは、2つ折りになっているものや、プラスチックなどの名刺もあります。特にデザイン関連の会社では、素材にもこだわって個性的な名刺作成にこだわる会社も多いので、素材や形状も会話のきっかけにしてみましょう。
コミュニケーションツールとして使えるビジネス名刺の一覧はこちら
通常、日本の名刺の標準的なサイズは55ミリ×91ミリです。縦型(縦書き)の場合と横型(横書き)の場合があります。
一方欧米では、日本よりもやや小さく、51ミリ×89ミリのサイズが標準です。海外勤務や海外への出張が多い方には、欧米サイズの名刺を用意しておくと円滑にコミュニケーションが図れます。
一般的には、シンプルな横型の名刺が使われます。ロゴマークがカラーの場合はカラーの名刺になりますが、シンプルなモノクロの名刺もあります。希少価値である縦型の名刺も、業者によっては作成してくれるところもあります。
名刺の紙としてよく使われるのは、マットコート紙・ケント紙です。マットコート紙はつや消しのやわらかな手触りの紙で、色はホワイトやアイボリーがあります。アイボリーは象牙色とも呼ばれ、やや乳白色の色調で落ち着いた印象を与えます。
環境保全などに注力する企業では再生紙を用いる事もあります。
半透明の素材を用いたスケルトン名刺と呼ばれる素材もあり、インクの発色が美しいので、手渡した相手に印象が残りやすくなります。ポリエステルのフィルム素材を使った名刺もあり、耐水性に優れ、濡れても曲がることがありません。また、厚さも通常の名刺より薄いので、名刺入れが分厚く膨らむことがないことが特長です。
さらに、角丸加工をした名刺もあります。角に丸みを帯びていることから優しい印象を与えます。なお、角丸加工の半径の大きさを変えるだけで、まったく違った印象を相手に与えることも可能です。医療福祉などの仕事や、サロンの経営などをされている方には、手渡した相手に好印象のイメージを与える最適の加工といえるでしょう。
高級感やハイクオリティな印象を演出するには、箔押しの印刷をおこなうとインパクトのある名刺として品格が生まれます。
高級感やハイクオリティな印象を与えられる箔仕上げ名刺についてはこちら
元来の名刺作成は、印刷会社に発注する方法が一般的でした。しかし現在では、インターネットからデータを送った名刺を、宅配便などで受け取ることが可能なのです。
作成するデータは名刺を制作する会社によっても異なりますが、普段ビジネスで使い慣れているソフトで作成した文書を使用できる会社もあります。もちろんデザイナーのツールでも構いません。ただ、バージョンには注意が必要です。
その場合、名刺作成を依頼する会社のホームページにテンプレートが用意されているので、そのテンプレートをダウロードして名刺データを作成すると便利です。
そして、制作コストも従来に比べると格段と安くなりました。ですが、名刺は第一印象を決定する重要なツールです。価格も安く、品質が良い、実績が豊富で信頼のできる会社を選ぶことで満足できる名刺作成が可能なのです。