名刺の管理や保管などに悩まされることはありますか?
名刺をしっかり管理することはビジネスの基本とよく言われます。
新しい担当者や取引先の名刺を、項目やグループごとに分けて整理したり、前任担当者の名刺や関わりのなくなった取引先の名刺を処分したり、名刺の管理や保管は意外と大変です。
近年はデジタル化が進み「情報=デジタルデータ」という認識が強まってきました。
パンフレットやカタログはホームページでの紹介に替わり、取り扱い説明書・チュートリアルはWebからPDFファイルなどでダウンロードしたり、Webブックで閲覧するのが当たり前の時代になりました。
デジタル化が進む中で名刺のデジタル化も注目されています。
文字読み取り機能(OCR)で名刺に書いてある文字をデジタルデータ化して管理するというのがデジタル名刺の概要ですが、データ化する作業は結構面倒なものでデジタル名刺はなかなか浸透していないようです。
コロナ禍の影響もあり、ビジネスのあり方は積極的にオンラインツールやリモートワークを取り入れていく傾向にあります。
これを機に、システムや業務スタイルを見直す各企業や団体は少なくありません。
営業は訪問営業を極力控え、代わりにWeb会議ツールを活用したり、販売経路構築には、Web広告やホームページ、各種SNSに力を入れているようです。
リモートワークが普及することで、自己PRするためのプロフィールもデジタルデータとして使用する時代になりつつあると言えるでしょう。
社内やコミュニティで、会議や商談、打ち合せなどにオンラインツールやリモートワークを利用していますでしょうか?
スマホやタブレットなどがあればどこでも打ち合わせや商談が可能になります。
そうなれば、時間的メリットも生まれ、移動の経費も抑制されます。
このようなメリットだけでなく、今後はもっと大きなメリットが現れてくるでしょう。
デジタル化が進む環境下で名刺に代わる自己PRアイテムは現れるのでしょうか。
それとも、リモートワークの時代に名刺は不要となるのでしょうか。
現代の日本では、スマホを保有する世帯が8割を超えているそうです。
近しい家族の話ですが、私の妻は家庭内でほとんど口を利かずにスマホばかり触っています。
つまりこれは、主なコミュニケーションの場がオンライン上になりつつあるということではないでしょうか。(我が家だけの話なのか……)
名刺が活躍する場面とはどんな場面でしょうか。
考えてみると、公共性の高い人と人とのつながりを重視したシチュエーションになると思います。
いろいろな方面からの紹介や、依頼を検討する相手と顔を合わせる際に名刺は必需品と言えます。
もっと言えば、仕事の請負の第一歩が名刺交換というのが従来のスタイルでした。
これは営業職にしても店舗型の業務にしても同様かと思います。
この名刺交換に替わるのが、オンラインやデジタルデータです。
近未来型のコミュニケーションは機能的とも言えますが、まだまだイメージが定着していないと言えます。
現状では、オンラインやデジタルデータの仕組みが完全に浸透しているとは言えないため、スムーズにデータの受け渡しが出来るとは限りません。
ここが紙として作り上げる名刺の貴重性、重要性になってくるのかと思います。
日本における名刺の交換や提示は一つの文化ともいえるのではないかと考えます。
礼に始まり礼に終わるという言葉がありますが、その仕事への姿勢を名刺と共に相手に伝える文化を大切にしていきたいと思います。
時代の移り変わりを色々と述べさせていただいたのですが、ここで原点に返って紙について考え直してみます。
紙離れ、ペーパーレスと叫ばれてから久しい気がします。
森林資源を必要とする紙の製造は環境問題を避けて通れません。
そのため多くの企業や著名人が森を育てることに賛同して、木を植えることが推進されてきました。
緑を守ることは今、最も重要な課題と言えます。
それでも紙製品の温もりと紙をめくることの喜びは残していきたい。
子供のころ買ってもらった本、一念発起して勉学に励んだときの辞書、参考書のありがたみ、自分で作った子供たちの写真集。
それらの冊子や書物をめくる喜びは残していきたい文化でもあります。
ご存じの通り、紙の材料となるのは木材パルプが主ですが、近年は非木材紙と呼ばれる樹木以外の植物から繊維を採って紙に仕上げるという手法があります。
例として、プレミアパールホワイトの原料にもなっている「バガス」はサトウキビ、「こうぞ紙」や「がんぴ」もそれぞれの植物から繊維を採っています。
「SDGs」につながる、オーガニックバナナの茎の繊維を使用したエコ紙、バナナペーパーもこの手法で作られています。
他にも海外ではケナフ、竹などの非木材紙を取り入れて、木材パルプの使用量を軽減したりもしています。
また、製紙業界では使用する90%が低質木材、間引した間伐材、製材残材、製紙用に植林された小径木などです。
個人的には、紙の白色度が高すぎる原因は樹木のバージンパルプを重視するからではないかと考えています。
白色度の高い用紙というのは印刷した際の発色がきれいです。
またバージンパルプ紙はインクの乗り具合も良いとされています。
しかし、そこには印刷事業者である私どもに課題があります。
いかに適切なデザインと紙の特性をとらえ、お客様へ提案できるかが求められていると考えています。
人はどんなに便利な世になっても寿命は長くとも100年ほどですから、苦手な事、好きではない事というのはどちらかというとやりたくないものです。
やっていて楽しいことを仕事にして過ごせたら幸せですが、それは、誰かの献身的なサポートがあるからこそかもしれません。
近年の医療関係の方々や高齢化に伴う介護事業の方たち、公共事業や地域のインフラ整備、安全対策に携わる人々。
多くの人たちが私たちの周りで支えてくれています。
共存共栄と暮らしの安心は決して人の力や労働なしでは構築できないと思います。
「人のすばらしさは、自分ではない他の人のためにどれだけ尽くせるかだ」という訓示がありますが、その考えもこれからもっともっと貴重になってくると思います。
少し話が逸れましたが、名刺はその人の真の有り様を伝えることが大なり小なり「できる」はずです。
なぜそう言えるかというと、名刺は版面スペースが最少の伝言書物だからです。
限られたスペースだからこそ、その人の気持ちを「ダイレクトに表現できる」、そんな気がします。
「言霊」という言葉がありますが、名刺を作る側として大切にしたいのは名刺に込める「紙魂」という気持ちなのです。
「紙」とその人の「魂」を結びつける、そういう名刺をこれからも作り続けたいと願います。
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