エコ・再生紙利用の現状

最近の天候不順といいますか、異常気象の凄まじさはもはや看過ができないところになってきております。
巨大台風の被害や、ゲリラ豪雨、水害を伴う降雨被害。さらには世界規模では大規模森林火災や干ばつ・砂漠化等、15年前に懸念されていた環境への温室効果ガスの影響が現実になってきています。
先だっても映像で見たアフリカのビクトリアの滝が枯渇していたのには驚きを禁じえません。

今日ではこうした人的工業生産や火力発電、技術開発の進歩の裏側にある自然環境への悪影響を企業コンプライアンスとして取組まないことは次世代への取組み放棄となります。業種や地域、国により大きな負担になってしまうことも考慮に入れなければならないでしょうが、 まずは一人ひとりが無駄のないエコを意識した姿勢が大切ではないでしょうか。
数値で見る限りですが、地球が吸収して現状の環境を保持できる二酸化炭素の量は グロスで31億炭素トンでこれに対して排出される二酸化炭素の量が72億炭素トン、過剰排出が41億炭素トンだとの検証があったそうです。
二酸化炭素の吸収を増幅させるため緑を護らなければならない、森林を護らなければならない状況なのに悪循環にも、大規模な森林火災の発生等は 誰しも忸怩たる思いで見ていることでしょう…。

名刺を作成している私どもも身近な問題として紙媒体の資源を保護する意識は高めていかなければならないと考えています。製造する際の無駄をおさえて製造工程の精度を上げることで廃棄物やエネルギーロスを抑えての製作に更に心がけて行くところです。

今後の取り組み

用紙の中でも竹やサトウキビ等の非木材を含む用紙がありますが、印刷技術が進めば非木材紙での印刷も通常用紙と変わらぬ質を保持して提供することができるようになればと考えております。今後導入検討の余地があるところの新しいエコ用紙対策なのですが、先述したオンデマンド印刷の範疇で非木材紙が対応可能かどうかが課題ではあります。

つい先般までは弊社も古紙使用100%の用紙「エコホワイトR100」を扱っておりましたが、さかのぼること7年程前に用紙メーカー様から今後の再生紙100%の用紙の供給はなくなる方向性を耳にしました。
エコ用紙の需要が高まるとの予想から大量にエコ用紙を発注しておりましたが2年前にR100再生紙が在庫切れに…。変わってラインナップしたR80用紙も程なく供給終了になる見込みです。
製紙メーカーの話によると再生紙は古紙を使用しているのは事実でバージンパルプの使用をおさえる点ではエコにかなっているのですが、他方で古紙を洗浄・乾燥・再生紙製造の工程にはかなりのエネルギーや資源、溶剤等を使っており、果たしてどこまでエコと呼べるのか疑問も残るということでした。通常の製紙工程の3倍くらいの洗浄加工を施すとなると環境汚染や二酸化炭素排出等への影響もあるのではないかとの見解です。(実際のところは古紙の流通量が激減して原価コストが高騰しているとの背景もあるようです。)

次世代の取組みとしてはやはり非木材の製紙技術の向上を期待するところです。
原材料パルプのうち10%~20%程度の非木材使用率が現状のようですが未来的に非木材100%の用紙ということも人間の英知を図れば決して不可能ではないと思いたいところです。

現状の製造体制と今後具体的に何をすべきか

名刺ファーストの現状の製造体制と商品ラインナップはスピードと品質の融合を図る観点から、お客様の要望をくみ取ってより迅速に、ベストな或いはベターな品質で名刺・カードを提供することにあります。
弊社はオンデマンド印刷という部類の印刷手法ですが、その特性は小ロットでの製造体制にあり、注文・製造時に製版無しで小口対応ができるというメリットがあります。特に名刺などは基本的に小ロットでの受注が多いためオンデマンドで対応することにより版下のロスや縁紙のロスなども抑えて無駄なく製造することができます。
更に弊社の人気商品にフィルムタイプの名刺がありますが紙を使わずフィルムでできているため非木材製品としてはお奨めできる材質です。環境面ではマイクロプラスチックの問題もあり自然物でないフィルム製造物のため海洋汚染の面も考慮しなければなりませんが、名刺はビジネスマンの分身として扱っていただければ永続的に保管してもらえるのではと期待します。

私ども名刺のデザインに携わる者は名刺に魂を注ぎ、貰っても捨てがたい見栄えと価値あるデザイン・レイアウトで提供することで 「大切な分身を捨てずにお持ちいただく」その精神を広めるところにあると考えます。
課題をひとつひとつ解決していくことが人としての生業であり、人が作り出す製造物は不変価値を持つデザインが最上であるという精神で 業務推進していければと考える所存です。

更新日: 2020/02/13 カテゴリ: 名刺用紙 豆知識
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